篠田三郎さんは、16歳で大映ニューフェイスとして芸能界に入り、映画『雁』でスクリーンデビューを果たしました。1973年の『ウルトラマンタロウ』で全国的な知名度を得た後も、映像と舞台の両方で幅広く活躍し続けています。
近年は劇団民藝に所属し、文学性の高い舞台作品や朗読イベントに取り組みながら、穏やかで誠実な人物像を演じることに定評があります。YouTubeでの対談出演や地方公演も精力的に行っており、76歳となった現在も俳優としての歩みを止めることなく続けています。
舞台の上で見せる深みある演技と、日常に寄り添うような存在感。その魅力の背景には、長年にわたる経験と人柄が息づいています。
【この記事のポイント】
- 篠田三郎さんの芸能界入りから『ウルトラマンタロウ』での活躍までの経緯
- 映像作品と舞台での代表的な出演作と役柄
- 現在の舞台活動や朗読イベント、YouTube出演の様子
- 健康状態や家族との関係を含めた近況と今後の予定
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篠田三郎の現在までの歩みと俳優人生
若き日、大映ニューフェイスとして出発
篠田三郎さんは1948年に東京都港区で生まれ、板橋区成増で育ちました。高校在学中に映画への関心が芽生え、東宝と大映のニューフェイス募集に応募します。結果は東宝が不合格、大映が合格。これを機に高校を中退し、16歳で大映の養成所に入所しました。
養成期間中は演技だけでなく、身体づくりや礼儀作法など、俳優としての基礎を徹底的に学ぶ日々が続きました。講師の助監督から「演技よりもまず体を鍛えろ」と言われた経験が印象に残っていると語られています。若い俳優たちはその言葉を胸に、日々の鍛錬に励んでいたそうです。
養成所を経て、大映東京撮影所に配属されると、まずは大部屋俳優として活動を開始します。通行人や店員などの端役をこなしながら、現場での経験を積み重ねていきました。1966年には映画『雁』でスクリーンデビューを果たし、酒屋の小僧役として出演しています。同期の俳優たちとともに、少しずつ映像の世界に馴染んでいった時期でした。
その後も若尾文子主演の作品などに端役で出演しながら、1970年には『高校生番長』で初めてメインキャストに抜擢されます。約4年間の下積みを経て、ようやく役名のある役柄を得るようになり、俳優としての道が開かれていきました。
映画『雁』でスクリーンデビュー

篠田三郎さんが映画俳優として初めてスクリーンに登場したのは、1966年公開の『雁』でした。原作は森鷗外の同名小説で、明治時代の東京を舞台に、複雑な人間関係と静かな情感が描かれた作品です。文学性の高い物語にふさわしく、映像も落ち着いたトーンで構成されており、出演者には繊細な演技が求められました。
篠田さんはこの作品で酒屋の小僧役を演じ、物語の背景を支える存在として登場しています。役柄は決して大きくはありませんが、初出演ながら自然な立ち居振る舞いと控えめな表情が印象に残る場面となっていました。若手俳優としての初々しさと、すでに備わっていた落ち着いた雰囲気が調和しており、映像の中で違和感なく溶け込んでいました。
この出演をきっかけに、篠田さんは映画界での活動を本格化させていきます。文学作品や人間ドラマを中心に、静かな存在感を持つ俳優として徐々に認知されるようになりました。初期の出演作では、派手さよりも誠実さや知性を感じさせる役柄が多く、観る人に安心感を与える演技が特徴的でした。
『雁』での経験は、後の代表作『ウルトラマンタロウ』や舞台での演技にも通じる基盤となり、篠田さんの俳優人生において重要な出発点となっています。
『ウルトラマンタロウ』で全国的に認知
1973年に放送が始まった『ウルトラマンタロウ』は、ウルトラシリーズの第5作目として制作されました。主人公・東光太郎を演じた篠田三郎さんは、この作品を通じて全国的な知名度を得ることになります。明るく元気な作風が特徴の本作は、当時の子どもたちに向けて親しみやすく構成されており、シリーズの中でも特に家庭的な雰囲気が強調されました。
東光太郎は、ウルトラの父と母の実子という設定で登場し、ZAT(Zariba of All Territory)隊員として怪獣や宇宙人と戦います。篠田さんが演じた光太郎は、快活で人懐っこく、子どもたちとの交流を大切にする人物として描かれており、視聴者にとって身近なヒーロー像となっていました。物語の中では、ボクシングを続けながら任務に励む姿や、家族のような関係性を築く場面もあり、単なる戦闘ヒーローではない人間味のあるキャラクターとして印象づけられています。
シリーズ最終回では、光太郎がウルトラバッジを返却し、「人間として生きる」ことを選ぶという異例の展開が描かれました。これはウルトラシリーズの中でも特異なエンディングであり、ヒーローが変身をやめるという選択は、視聴者に深い余韻を残しました。この決断は、篠田さん自身の俳優としての姿勢とも重なり、以降のシリーズに再登場することはありませんでした。
その後の篠田さんは、静かな役柄や知的な人物像を演じることが多くなり、特撮ヒーローとしてのイメージから一歩離れた俳優活動を続けています。『ウルトラマンタロウ』で築いた信頼と印象は、今も多くの人々の記憶に残り続けています。
舞台・テレビ・映画で幅広く活躍

篠田三郎さんは『ウルトラマンタロウ』以降も、俳優として多彩なジャンルで活動を続けています。テレビドラマでは、時代劇から現代劇、サスペンス、医療ドラマまで幅広く出演しており、穏やかで誠実な人物像を演じることが多く見られます。代表的な出演作には『草燃える』『花神』『ピュア・ラブ』『相棒』『MOZU』『コールドケース2』などがあり、長年にわたり安定した演技力で作品を支えてきました。
映画では『金閣寺』『大日本帝国』『ゴジラvsモスラ』『ゴジラvsデストロイア』『ヤマトタケル』『さくら』などに出演し、歴史や社会を背景にした作品からファンタジーまで、幅広い役柄をこなしています。特に『ゴジラ』シリーズでは、科学者や軍人などの理知的な役柄を演じることが多く、作品の緊張感を支える存在として印象を残しています。
舞台では劇団民藝を中心に活動しており、『八月の鯨』『ある八重子物語』『ローズのジレンマ』『山桜』など、文学性の高い作品に多数出演しています。舞台上では、静かな語り口と丁寧な感情表現が特徴で、観客との距離が近い空間での演技に深みを与えています。外部劇団への客演も多く、明治座や帝国劇場などの大劇場でも活躍してきました。
これらの活動を通じて、篠田さんは映像と舞台の両方で信頼される俳優としての地位を築いてきました。派手さよりも誠実さを大切にする演技は、長年にわたり多くの作品で求められ続けています。
劇団民藝への所属と舞台中心の活動
篠田三郎さんは2020年から劇団民藝に所属し、舞台を中心とした活動を続けています。映像作品での活躍が広く知られる一方で、舞台ではより深い人間描写や文学性の高い作品に取り組んでおり、俳優としての幅広さを感じさせる活動が目立ちます。
劇団民藝では『八月の鯨』のマラノフ役を長年にわたり演じており、静かな語り口と繊細な感情表現で観客の心に残る舞台を作り上げています。また、『ある八重子物語』では古橋健一郎院長役として、戦後の東京・柳橋を舞台にした人情喜劇に出演し、庶民の哀歓を描く物語の中心人物として舞台を支えています。
さらに、『ローズのジレンマ』ではウォルシュ・マクラーレン役を演じ、過去の恋人として登場する複雑な人物像を丁寧に表現しています。これらの作品は全国各地で上演されており、地方の劇場でも観客との距離が近い空間で演技を届けています。
劇団民藝以外の舞台にも客演として参加しており、『SOETSU』では柳宗悦役を演じ、民藝運動の思想を舞台で体現しました。また、『坂道ー長崎、79年目の夏』や『二番街の囚人』など、社会的なテーマを扱う作品にも積極的に出演しています。
舞台活動では、文学朗読や演劇の夕べといった企画にも参加しており、俳優としての声の力や表現力を活かした取り組みも続けています。観客と直接向き合う舞台の場で、長年の経験に裏打ちされた演技を届ける姿勢は、今も変わらず丁寧で誠実です。
家族との関係や私生活の一端

篠田三郎さんは1975年に結婚し、現在は一男一女の父親です。奥様は一般の方で、芸能活動はされていません。結婚当初から家庭を大切にする姿勢が伝えられており、派手な披露宴や会見などは行わず、静かに入籍を済ませたとされています。仕事と家庭を分けて考える姿勢が、長年にわたる安定した生活につながっているようです。
息子さんについては、かつて俳優ではないかという噂が流れたこともありましたが、実際には芸能活動はされていないようです。子どもの頃に篠田さんが出演した『ウルトラマンタロウ』を見せたものの、あまり興味を示さなかったというエピソードもあり、親子の関係は自然体で穏やかなものだったと考えられます。
家族との時間については多く語られることはありませんが、舞台活動を中心に地方公演なども行っていることから、仕事と私生活のバランスを大切にしている様子がうかがえます。芸能界での長いキャリアの中でも、家族との関係を守りながら活動を続けてきた点は、篠田さんの人柄を感じさせる部分です。
病気の噂と現在の健康状態について
篠田三郎さんについては、近年インターネット上で病気を心配する声が見られることがあります。これは、テレビなどのメディア出演が減ったことや、同世代の俳優に病気の報道があったことなどが背景にあるようです。しかし、実際には現在も舞台を中心に俳優活動を続けており、健康面に大きな問題がある様子は見られていません。
2020年以降は劇団民藝に所属し、全国各地での舞台公演に出演しています。『ある八重子物語』『ローズのジレンマ』『八月の鯨』など、長時間の舞台にも継続して出演しており、体力や集中力が求められる演目にも安定して参加しています。特に『八月の鯨』では、繊細な感情表現と静かな存在感が求められる役柄を長年にわたり演じており、年齢を重ねた今も変わらぬ演技力を発揮しています。
また、YouTubeでの対談出演や文学朗読イベントなどにも参加しており、映像や音声を通じて元気な姿を確認することができます。舞台の合間にもこうした活動を続けていることから、日常的に無理のないペースで仕事をこなしている様子がうかがえます。
年齢は76歳(2025年現在)となりますが、俳優としての活動は今も継続中であり、舞台に立ち続けていること自体が健康状態の良さを物語っています。病気の噂が広がった背景には誤解や憶測も含まれている可能性があり、実際の活動状況を見る限り、穏やかに充実した日々を過ごしていると考えられます。
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篠田三郎の現在の出演作と役柄まとめ
『ある八重子物語』で病院院長役

篠田三郎さんは、舞台『ある八重子物語』で古橋健一郎院長役を演じています。この作品は、井上ひさしによる戯曲で、戦前から戦後にかけての東京・柳橋を舞台に、新派劇に心酔する人々の姿を描いた群像劇です。篠田さんが演じる古橋院長は、病院の責任者でありながら、芝居への情熱を隠さない人物で、職場のスタッフ全員が新派マニアというユニークな設定の中心に立っています。
院長は、患者の話を芝居の筋書きに見立てて語るなど、日常の中に演劇的な視点を持ち込む人物として描かれています。篠田さんはこの役柄に、穏やかさとユーモアを織り交ぜながら、戦中・戦後を生き抜く人々のたくましさを表現しています。物語の中では、芸者花代との出会いや、医院に集う人々とのやりとりを通じて、院長の人間味が丁寧に描かれており、観客に温かい印象を残します。
この作品は、誰か一人が主人公というよりも、登場人物たちがそれぞれの人生を持ち寄って物語を紡ぐアンサンブル形式で進行します。篠田さんの演技は、その中で静かに物語を支える軸となっており、舞台全体の雰囲気を安定させる役割を果たしています。演出の丹野郁弓氏による構成も相まって、笑いと人情が交錯する舞台に仕上がっています。
この公演は2020年から全国各地で上演されており、2024年にも九州地方などで巡演が行われました。篠田さんは各地の劇場で同じ役柄を継続して演じており、長期にわたる舞台活動の中でも変わらぬ存在感を保ち続けています。
『ローズのジレンマ』で恋人役を好演
篠田三郎さんは、劇団民藝による舞台『ローズのジレンマ』でウォルシュ・マクラーレン役を演じています。この作品は、ブロードウェイの喜劇作家ニール・サイモンによる晩年の戯曲で、人生の痛みと哀しみをユーモアと温かさで包み込むヒーリングドラマとして構成されています。
篠田さんが演じるウォルシュは、主人公ローズの亡き恋人であり、物語の中では幽霊として登場します。ローズは彼の死後も毎日のように語りかけ、過去の愛に浸る日々を送っています。ウォルシュはそんなローズの窮地を救おうと、奇想天外な提案を持ちかける存在として描かれています。
篠田さんの演技は、幽霊という非現実的な存在でありながら、現実の感情に寄り添う温かさを持ち合わせています。ローズとの会話の中で、過去の思い出や未練、そして今もなお残る愛情が丁寧に表現されており、観客にとっては「生きているっていいわね」というローズの台詞が心に響く瞬間となります。
この役柄では、篠田さんが年齢を重ねた人物の内面を繊細に描き出しており、懐かしさや切なさを含んだ表情や語り口が舞台全体の雰囲気を支えています。幽霊でありながらも、ローズの記憶の中で生き続ける存在として、観客の心に残る演技を見せています。
2025年には川崎、福井、北九州などで公演が行われ、各地の劇場で篠田さんの演技を間近に観ることができました。舞台上では、静かな空気の中に笑いと涙が交錯し、俳優としての深みが際立つ作品となっています。
『八月の鯨』でマラノフ役を継続出演

篠田三郎さんは、劇団民藝の舞台『八月の鯨』でロシアの亡命貴族マラノフ役を長年にわたり演じています。この作品は、1954年のアメリカ・メイン州沿岸の島を舞台に、老姉妹の夏の日々を描いた静かな人間ドラマです。鯨の訪れを待ち続ける姉妹のもとに、かつての知人であるマラノフが現れ、物語にささやかな波紋をもたらします。
マラノフは、過去の栄光を持ちながらも今は質素な暮らしを送る人物で、姉妹との再会を通じて人生の意味や老いの尊厳を静かに語りかける存在です。篠田さんはこの役柄に、穏やかさと品格を込めて演じており、舞台全体の空気を柔らかく包み込むような存在感を放っています。
この作品は、2013年に民藝で初演され、2025年には新演出・新配役で再演されました。篠田さんは初演時からマラノフ役を務めており、再演でも同じ役柄を継続して演じています。長年にわたる役の継続は、俳優としての深い理解と安定した演技力があってこそ可能なものであり、観客からの信頼も厚く、舞台の要としての役割を果たしています。
公演は紀伊國屋サザンシアターをはじめ、全国各地で上演されており、観客との距離が近い劇場空間で、篠田さんの繊細な演技がじっくりと味わえる構成となっています。マラノフという人物を通じて、人生の終盤における静かな希望や人とのつながりが描かれており、観る人の心に深く残る舞台となっています。
文学朗読イベントでの活動
篠田三郎さんは舞台俳優としての活動に加え、文学作品の朗読イベントにも積極的に出演しています。近年では、劇団民藝による企画「文学の夕べ」にて、樫山文枝さんとともに朗読を担当し、日本文学の世界を声で届ける取り組みを続けています。
このイベントでは、藤沢周平の「山桜」や山本周五郎の「夜の辛夷」など、江戸情緒あふれる短編小説が取り上げられています。篠田さんは、静かな語り口と落ち着いたテンポで物語を紡ぎ、登場人物の心情や風景を丁寧に描き出しています。舞台とは異なり、照明や動きに頼らず、声だけで情景を浮かび上がらせる朗読は、俳優としての技術と感性が問われる場面です。
朗読の際には、シンプルなセットの中で椅子に腰掛け、観客と向き合うように語りかけるスタイルが採られています。篠田さんの声には、長年の舞台経験に裏打ちされた深みがあり、物語の静けさや余韻を大切にする姿勢が感じられます。観客からは「心がふるえるような朗読だった」「登場人物の気持ちが自然に伝わってきた」といった感想が寄せられており、俳優としての新たな魅力を発見する場にもなっています。
2025年には浜松、姫路、札幌、函館など全国各地で公演が行われ、地域の文化施設で多くの人々に文学の世界を届けています。また、朗読とともにトークイベントも開催されており、作品への思いや俳優としての経験を語る場面も設けられています。
YouTubeでの対談出演も話題に

篠田三郎さんは近年、YouTubeチャンネルでの対談企画に出演する機会が増えています。舞台やテレビでは見られない素顔を垣間見ることができる場として、ファンの間でも注目されています。特に、毒蝮三太夫さんや真夏竜さんといった旧知の俳優との対談では、過去の共演作や撮影現場での思い出が語られ、和やかな雰囲気の中で会話が進んでいます。
対談の中では、『ウルトラマンタロウ』の撮影当時のエピソードや、俳優としての姿勢、舞台に対する思いなどが語られており、長年の経験に裏打ちされた言葉のひとつひとつに重みがあります。篠田さんは、若い頃の映像を見て照れ笑いを浮かべながらも、当時の心境や役作りについて丁寧に振り返っており、視聴者にとっては貴重な時間となっています。
また、ウルトラシリーズの共演者との再会では、変身ポーズを披露する場面もあり、懐かしさと親しみやすさが感じられます。篠田さん自身はウルトラマンの再登場を控えている立場ですが、ファンとのつながりを大切にしながら、映像を通じて思い出を共有する姿勢が印象的です。
こうしたYouTubeでの活動は、舞台やテレビとは異なる形で新たな層との接点を生み出しており、俳優としての幅を広げる一助となっています。映像の中で見せる穏やかな語り口や柔らかな表情は、長年にわたり築いてきた人柄そのものを感じさせるものです。
外部舞台での客演歴と役柄
篠田三郎さんは劇団民藝に所属しながらも、外部の舞台作品にも積極的に客演として参加しています。その活動は2000年代以降も継続しており、明治座や帝国劇場、東宝、松竹などの大劇場での公演にも多数出演しています。演出家や劇団の枠を越えて協働する姿勢は、俳優としての柔軟さと信頼の厚さを物語っています。
代表的な客演作には、『SOETSU』での柳宗悦役があります。この作品では民藝運動の創始者として、思想と情熱を持った人物を演じ、知的で深みのある演技が印象に残りました。また、『闇にさらわれて』ではクリフォード・アレン卿役として、英国の政治家であり人道主義者という複雑な人物像を丁寧に表現しています。
近年では、True Colors THEATERによる『坂道ー長崎、79年目の夏』に出演し、戦争と記憶をテーマにした作品に取り組んでいます。また、地人会新社の『二番街の囚人』では、社会的な背景を持つ登場人物を演じ、現代的なテーマにも向き合っています。
過去には『細雪』『雪国』『仁淀川』『三丁目の夕日』『夢見るおんなたち』『付き馬屋おえん』『昨日までのベッド』『喝采』『日本の面影』など、文学作品や人情劇、時代劇など多岐にわたるジャンルに出演しています。父親役、教師役、医師役など、人生経験を活かした落ち着いた人物像を演じることが多く、観客に安心感と説得力を与える存在として舞台を支えています。
これらの客演歴は、篠田さんが劇団という枠にとらわれず、俳優としての表現の幅を広げてきた証でもあります。演出家や共演者との信頼関係を築きながら、作品ごとに異なる世界観に自然に溶け込む姿勢が、長年にわたる舞台活動の中で培われてきました。
今後の出演予定と舞台スケジュール

篠田三郎さんは2025年も劇団民藝の公演に継続して出演する予定です。文学作品や社会的テーマを扱う演目が中心となっており、全国各地での巡演も含めて、精力的な舞台活動が続いています。
2月には紀伊國屋サザンシアターで『八月の鯨』が上演され、篠田さんはロシアの亡命貴族マラノフ役として出演します。姉妹の静かな日常に寄り添う人物として、作品の世界観を支える重要な役柄を担っています。
6月には熊本県立劇場で『ローズのジレンマ』が上演され、篠田さんは主人公ローズの亡き恋人ウォルシュ役として登場します。幽霊として現れるユニークな設定の中で、過去の愛と現在の葛藤を描く役柄です。
10月には浜松市福祉交流センターや姫路キャスパホールなどで『文学の夕べ』が開催され、藤沢周平や山本周五郎の短編小説を朗読する企画に出演します。声の力で物語を届ける朗読イベントは、舞台とは異なる魅力を持つ活動として注目されています。
また、劇団民藝稽古場では7〜8月に『記憶の危うさについて』が上演されます。アーサー・ミラーの一幕劇2作を日本初演として取り上げるもので、小空間での濃密な演技が期待されています。
これらの公演は公式サイトで随時更新されており、地域ごとのスケジュールや会場情報も確認できます。篠田さんは今後も、文学性と人間味を大切にした作品に出演し続ける見込みです。
篠田三郎の現在を知るための要点整理
- 東京都出身で大映ニューフェイスとして芸能界入り
- 映画『雁』でスクリーンデビューを果たした
- 『ウルトラマンタロウ』で全国的に知名度を獲得
- 映像と舞台の両方で安定した活動を継続
- 穏やかで誠実な人物像を演じることが多い
- 劇団民藝に所属し舞台中心の活動を展開中
- 『ある八重子物語』で病院院長役を演じた
- 『ローズのジレンマ』で亡き恋人役を好演
- 『八月の鯨』ではマラノフ役を長年継続出演
- 文学朗読イベントで声の表現力を活かしている
- YouTube対談で舞台裏や過去の作品を語っている
- 外部舞台にも客演し多様な役柄に挑戦している
- 家族との関係は穏やかで私生活は公に語られない
- 病気の噂はあるが現在も舞台出演を継続している
- 今後も劇団民藝中心に全国で公演が予定されている
▶▶ 篠田三郎さんの出演作品をアマゾンプライムでチェックしてみる
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