コムアイの現在の姿を知りたいと思ったとき、どこから辿ればいいのか迷うことがあるかもしれません。音楽ユニット「水曜日のカンパネラ」のボーカルとして鮮烈な印象を残したコムアイは、現在どのような活動をしているのか、どんな価値観を持って生きているのか。その歩みをたどることで、ひとりの表現者としての深い変化が見えてきます。
かつてのステージでの大胆なパフォーマンスや、ユニークな楽曲の世界観に惹かれた記憶があるなら、現在のコムアイがどのような場所で、どんな暮らしをしているのかが気になっているはずです。ブラジルでの生活、アマゾンでの出産、社会的なテーマへの発信など、彼女の現在は音楽の枠を超えて広がっています。
コムアイは現在、音楽家という肩書きだけでは語りきれない存在となっています。舞台、映像、執筆、モデル活動など、ジャンルを横断しながら、自分自身の身体と思想を軸に表現を続けています。その根底には、自然との共生や共同体との関係性を大切にする価値観があり、現在の暮らしや活動にも深く根付いています。
もし「コムアイの現在地」を知りたいと思ったなら、彼女が歩んできた転機や選択をひとつずつ辿ってみてください。そこには、表現者としての挑戦だけでなく、人としての生き方を問い直す姿が映し出されています。
【この記事のポイント】
- コムアイが水曜日のカンパネラを脱退した理由とその背景
- 現在のブラジルでの暮らしと創作活動の様子
- 出産体験を通じて得た身体性や共同体への理解
- 映像・舞台・書籍など多様な表現領域での現在の活動
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コムアイの現在までの歩みと転機の記録
水曜日のカンパネラ結成と初期活動

水曜日のカンパネラは2012年に結成された音楽ユニットで、初期メンバーはボーカルのコムアイ、音楽担当のケンモチヒデフミ、ディレクターのDir.Fの3人で構成されていました。グループ名は「水曜日に良いコンテンツが生まれる」という発想から名付けられています。
コムアイがユニットに参加するきっかけは、映像作家のホームパーティーでDir.Fと出会ったことでした。彼女の雰囲気や個性が、ユニットのイメージにぴったりだったことから、ボーカルとして誘われました。当初は女性3人によるユニット構想もありましたが、他のメンバーが離脱し、コムアイが中心となって活動が始まりました。
活動初期はYouTubeでの作品発表からスタートし、2013年にはライブ活動を開始。同年5月には『クロールと逆上がり』、10月には『羅生門』を発表し、徐々に注目を集めました。2014年には『シネマジャック』や『私を鬼ヶ島に連れてって』など、ユニークなタイトルと世界観を持つ作品を次々とリリースしています。
楽曲は日本の歴史や神話、海外の人物などを題材にした歌詞が特徴で、ヒップホップやエレクトロ、ポップなど多様なジャンルを融合したサウンドが展開されました。代表曲「桃太郎」「一休さん」などは、キャッチーなメロディーと独特な語り口で若者を中心に人気を集め、音楽フェスやテレビ出演を通じて広く知られるようになりました。
コムアイのパフォーマンスは、歌唱だけでなく身体表現や衣装、演出にもこだわりが見られ、視覚的にも強い印象を残すものでした。ステージ上での自由な動きや、観客との距離感を意識した演出は、従来の音楽ユニットとは一線を画すものであり、アート性の高い活動として評価されました。
この時期の水曜日のカンパネラは、音楽業界に新しい風を吹き込む存在として、ジャンルの枠を超えた表現を模索し続けていました。
脱退に至るまでの心境と背景
コムアイが「水曜日のカンパネラ」を脱退したのは2021年9月のことです。突然の発表に驚いた人も多くいましたが、実はその数年前から、彼女の中では変化の兆しがあったようです。活動を続ける中で、自分の興味や関心が音楽以外の分野にも広がっていき、これまでのスタイルではそのすべてを表現しきれないと感じるようになっていきました。
グループとしての活動は、ケンモチヒデフミやDir.Fとの共同作業によって成り立っていましたが、コムアイ自身は「これ以上、自分の関心に2人を巻き込むのではなく、ユニットの重心を2人の側に戻すべきだ」と考えるようになりました。それまでの活動でも自由に表現する機会は多く与えられていたものの、より一層の自由を求める気持ちが強くなっていったことが、脱退の大きな理由となりました。
また、音楽活動にとどまらず、環境問題や社会的テーマへの関心が高まっていたことも、方向転換の背景にあります。表現者としての幅を広げたいという思いが、グループという枠を超えて個人での活動へと彼女を導いたのです。
脱退後は、音楽だけでなく、映像、舞台、執筆など多様な分野での創作に取り組んでいます。その中には、アマゾンでの出産体験をもとにした書籍の執筆や、ブラジルでの生活を通じた文化的な交流も含まれています。こうした活動は、コムアイが自身の価値観や関心をより深く掘り下げ、自由に表現するための選択だったといえます。
社会的テーマへの関心と発信

コムアイはグループ脱退後、社会的なテーマに対する関心をさらに深めています。特に環境問題への取り組みは積極的で、気候変動に対する危機感を抱きながら、自ら学びの場に足を運び、行動を起こしています。気候変動に関する基礎講座に参加した経験もあり、報道だけでは得られない納得感のある知識を求めて、自分の足で情報を確かめる姿勢が見られます。
環境への意識は日常の選択にも反映されており、リサイクル素材の衣服を選ぶなど、生活の中で持続可能性を意識した行動を取っています。こうした実践は、単なる思想ではなく、日々の暮らしの中で自然と結びついたものとなっています。
また、ジェンダーや政治にも関心を持ち、SNSでは女性議員の活躍や調査報道の重要性について言及することもあります。選挙に際しては、自身の考えを明確に示し、若い世代にも政治参加の意義を伝えようとする姿勢が見られます。発信内容は一貫して、社会の構造や制度に対する問いかけを含んでおり、表現者としての立場から、社会との関わり方を模索する姿が浮かび上がります。
さらに、先住民文化への関心も深く、アマゾンでの出産を通じて、自然との共生や身体性への理解を深めています。現地の人々との交流を通じて、文化的な価値観や生き方に触れた経験は、彼女の表現活動にも影響を与えています。都市的な価値観とは異なる視点から、生命や暮らしを見つめ直す機会となっており、発信の中にもその気づきが反映されています。
こうした活動は、音楽や芸術の枠を超えたものであり、コムアイが表現者として社会とどう向き合うかを示すものとなっています。
出産と家族との関係性
2023年7月、コムアイは第一子となる男児を出産しました。出産の場所として選んだのは、ペルーのアマゾンにあるワンピス族の村です。妊娠8ヶ月の時点で現地に渡り、村の助産術を受けながら、自然の中での出産に臨みました。医療機関ではなく、先住民の知恵と共同体の支えの中で出産するという選択は、彼女にとって生命や身体への理解を深める大きな経験となりました。
出産当日は、陣痛が始まった時点で別の町に滞在していたため、川をボートで数時間かけて村へ戻るという過酷な移動を経て、ようやく産屋にたどり着きました。お産は数日間にわたって続き、体力的にも精神的にも限界を超えるような時間だったとされています。産婆のアニータやパートナーの太田光海氏がそばで支え続けたことで、安心感と信頼が生まれ、最後まで出産に向き合うことができたようです。
出産後には、胎盤を食すという文化的な体験もありました。これは動物が本能的に行う行動でもあり、身体の回復を促す意味合いがあるとされています。コムアイ自身もその効果を実感し、自然の摂理に従った出産のあり方に深い納得を得た様子が見られます。
家族との関係性については、従来の核家族的な枠組みではなく、村の人々との共同生活の中で育まれています。世帯という概念が曖昧な大家族のような環境で、食事や育児を分かち合いながら暮らすことで、子育てにおける孤立感がなく、支え合いの中で安心して生活できる土壌が整っています。
このような出産と育児の体験は、コムアイにとって単なるライフイベントではなく、表現者としての価値観や思想にも大きな影響を与えています。自然との共生、身体への信頼、共同体の力といったテーマが、今後の活動にも深く関わっていくと考えられます。
ブラジル移住と文化体験

コムアイは現在、ブラジル北東部の港町サルバドールに拠点を移して生活しています。サルバドールはアフリカ系住民の文化が色濃く残る地域で、音楽や舞踊、宗教儀礼などが日常に根付いています。彼女はこの土地の空気に触れながら、創作活動と育児を両立する新しいライフスタイルを築いています。
この地域では、カポエイラやアフロブラジリアン音楽が盛んで、コムアイも現地の芸能や身体表現に強く惹かれている様子です。伝統的なリズムや踊りに触れることで、自身の表現にも新たな刺激が加わっていると感じられます。都市の喧騒から離れた環境で、自然や人とのつながりを大切にしながら暮らす日々は、彼女の創作に深みを与える要素となっています。
また、サルバドールでの生活は、育児にも大きな影響を与えています。地域の人々との関係性が密接で、子育てを共同体の中で行う感覚が根付いています。家族だけでなく、周囲の人々が子どもを見守り、支え合う文化の中で、孤立することなく安心して育児に向き合える環境が整っています。
コムアイはこの土地での暮らしを通じて、日本とは異なる価値観や生活様式に触れながら、自分自身の表現や生き方を見つめ直しています。サルバドールでの体験は、彼女の思想や創作にとって欠かせない土台となっており、今後の活動にも大きな影響を与えていくと考えられます。
現在の生活スタイルと価値観
コムアイは現在、ブラジル・サルバドールでの暮らしを通じて、自然との共生を軸にした生活スタイルを築いています。都市型の消費社会とは異なり、日々の選択において持続可能性を重視しており、衣食住のすべてにその姿勢が反映されています。
食事は地元の旬の食材を中心に構成され、加工品や輸入品を避ける傾向があります。現地の市場で手に入る野菜や果物を使い、シンプルで身体に負担の少ない食生活を心がけています。調理法も素材の味を活かすものが多く、自然の恵みをそのまま受け取るような感覚が大切にされています。
住環境についても、必要以上の物を持たず、自然光や風を活かした設計の住まいで暮らしています。家具や衣類はリサイクル素材や手作りのものを選び、消費よりも循環を意識した生活が根付いています。こうしたスタイルは、環境負荷を減らすだけでなく、自分自身の感覚を研ぎ澄ますことにもつながっています。
身体性への意識も高く、日々の生活の中で身体を動かすことを重視しています。カポエイラやダンスなど、現地の文化に根ざした身体表現を取り入れることで、自己と環境とのつながりを深めています。身体を通じて感じることが、創作活動にも影響を与えており、表現と実践が自然に融合したスタイルが確立されています。
また、育児においても共同体的な価値観が反映されており、家族だけでなく地域の人々と支え合いながら子どもを育てています。孤立せず、助け合いの中で育児を行うことで、精神的な安定と安心感が生まれています。
このような生活スタイルは、コムアイが表現者としてだけでなく、一人の人間としてどのように生きるかを問い直した結果であり、今後の活動にも深く関わっていく価値観となっています。
今後の活動展望と本人の言葉

コムアイは現在、音楽活動にとどまらず、映像や書籍など多様な表現領域に活動の幅を広げています。特に注目されているのが、パートナーである太田光海監督との共同制作によるアートドキュメンタリー作品です。この作品では、妊娠中の旅を通じて生命や社会の根源的な問いに向き合う姿が描かれており、コムアイ自身が出演者であると同時に、表現の主体として関わっています。
この映像作品は、アマゾンでの出産体験や先住民との交流を背景に、身体性や自然との関係性をテーマにしています。従来の音楽活動とは異なるアプローチで、彼女の思想や価値観が映像という形で表現されている点が特徴です。クラウドファンディングによって制作が進められており、すでに多くの支援が集まっています。
また、書籍の執筆にも取り組んでおり、アマゾンでの出産やブラジルでの生活を通じて得た気づきを言葉にする作業が進行中です。身体や命、共同体との関係性など、日常の中で感じたことを丁寧に綴る内容になる予定です。出版時期は未定ですが、すでに構想は固まりつつあり、読者に新たな視点を届ける作品となることが期待されています。
本人の言葉からは、既存の枠にとらわれず、自由に表現することへの強い意志が感じられます。ジャンルや形式に縛られず、自分の関心や体験をもとに創作を続ける姿勢は、今後の活動にも一貫して反映されていくと見られます。音楽、映像、文章といった手段を通じて、コムアイは社会との関わり方や生き方そのものを問い直すような表現を模索しています。
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コムアイの現在の出演作と役柄の紹介
映画『Black Box』での主演と反響

コムアイが主演を務めた映画『Black Box』は、記憶とアイデンティティをめぐる物語を描いた作品です。物語は、記憶障害を抱えた主人公が、VR技術を用いた治療を通じて自分自身の過去と向き合っていくという構成で進みます。記憶の断片をたどる中で、主人公は自分が誰なのか、何を失ったのかを探りながら、現実と仮想の境界をさまよいます。
この作品では、映像の美しさと身体表現が融合しており、コムアイの演技は視覚的にも感情的にも強い印象を残します。彼女は言葉だけでなく、表情や動きによって複雑な感情を表現し、観客に深い余韻を与える演技を見せています。音楽活動で培った身体感覚が、演技にも自然に活かされている点が特徴です。
映画の中では、記憶の再構築というテーマが、家族との関係や過去の選択といった要素と絡み合いながら描かれています。観る者にとっては、自分自身の記憶や人生を振り返るきっかけとなるような、内省的な体験をもたらす作品です。物語の展開はサスペンス要素を含みつつも、感情の揺らぎに焦点が当てられており、静かで力強い印象を残します。
コムアイにとってこの作品は、音楽とは異なる表現の場でありながら、自身の身体性や思想を反映できる貴重な機会となりました。演技を通じて、彼女が持つ感受性や表現力の幅広さが改めて示されたことで、俳優としての可能性にも注目が集まっています。
ドキュメンタリー作品での出演歴
コムアイは、音楽活動の枠を超えて、ドキュメンタリー作品にも積極的に出演しています。特に注目されているのが、パートナーである太田光海監督との共同制作によるアートドキュメンタリーです。この作品では、妊娠中の旅を通じて、生命や社会の根源的な問いに向き合う姿が描かれています。
映像の中では、アマゾンでの出産体験を中心に、自然との共生や身体性への気づきが語られています。医療機関ではなく、先住民の村で出産するという選択は、彼女にとって身体の力を信じること、そして人間が本来持つ生命力を再確認する機会となりました。こうした体験は、映像を通じて視覚的に表現され、観る者に深い印象を与えています。
このドキュメンタリーは、単なる記録映像ではなく、思想や価値観を伝える手段として構成されています。コムアイ自身が語る言葉や表情、動きのひとつひとつが、彼女の内面を映し出す要素となっており、観客との距離を縮める役割を果たしています。映像の中で語られる内容は、環境問題やジェンダー、共同体との関係性など、現代社会が抱えるテーマにもつながっており、個人の視点から社会を見つめ直すきっかけを提供しています。
また、クラウドファンディングによって制作が進められているこの作品は、多くの支援者の共感を集めています。コムアイの表現は、ジャンルや形式に縛られず、自由な発想のもとに展開されており、ドキュメンタリーという形式を通じて、彼女の思想がより深く伝わる構成となっています。
舞台での身体表現と演出

コムアイは舞台作品において、言葉よりも身体の動きや空間の使い方を重視した演出に参加しています。彼女の表現は、音楽活動で見せていたものとは異なり、より内面的で感覚的なアプローチが特徴です。舞台上では、台詞に頼らず、呼吸や視線、姿勢の変化によって感情を伝えるスタイルが採用されており、観客との距離感を意識した構成が印象的です。
代表的な舞台活動としては、奈良県明日香村の石舞台古墳で行われたパフォーマンス『石室古墳に巣ごもる夢』があります。この作品では、古代の空間と身体表現を融合させることで、時間や記憶をテーマにした演出が展開されました。石室の中での動きは、音響や光の変化と連動し、観客に静かな没入感を与える構成となっていました。
また、東京都現代美術館でのソロパフォーマンスでは、クリスチャン・マークレーのグラフィック・スコア『No!』を題材に、視覚的な記号を身体で読み解くという挑戦的な演出が行われました。この作品では、音楽的な要素を排除し、身体そのものを楽器として扱うような表現が試みられています。
さらに、日本の郷土芸能や民俗舞踊にも関心を持ち、遠野の「張山しし踊り」などを学びながら、舞台表現に取り入れています。太鼓の音に合わせて自然に身体が動く感覚を重視し、型や振付にとらわれない自由な動きが特徴です。こうした身体性の探求は、舞台上での存在感にもつながっており、観客に強い印象を残しています。
舞台での活動は、コムアイにとって自己表現の場であると同時に、身体を通じて世界とつながる手段でもあります。音楽とは異なる評価を受けながらも、彼女の表現は一貫して「身体を通じて語る」ことに向かっており、今後もその探求は続いていくと考えられます。
モデル活動とビジュアル表現
コムアイは音楽や舞台だけでなく、モデルとしても幅広く活動しています。ファッション誌や広告への登場では、既存の美的基準にとらわれないスタイリングや表情の使い方が注目されており、彼女ならではのビジュアル表現が際立っています。
広告では、下着ブランド「une nana cool」のイメージモデルとして起用され、商品のコンセプトムービーにも出演しています。このプロジェクトでは、女性が自分らしく生きることを応援するメッセージが込められており、コムアイの姿勢と重なる部分が多く見られます。撮影では、衣装や演出に対して積極的に意見を出し、自身の思想や感覚を反映させたビジュアルが構成されています。
また、ファッション誌『SPUR』では、経済思想家との対談企画に登場し、ファッションと社会の関係について語る場面もありました。消費社会への疑問や、広告に対する違和感など、ビジュアル表現を通じて社会的なメッセージを発信する姿勢が印象的です。単なるモデルとしての出演ではなく、表現者としての立場から、撮影の背景にある思想や構成に深く関与しています。
スタイリングにおいては、民族的な要素や自然素材を取り入れた衣装を好み、身体性や環境との調和を意識した選択が多く見られます。撮影現場では、ポーズや動きにおいても型にはまらず、自由な発想で空間を使うことで、写真に独特のリズムや感情が生まれています。
こうしたモデル活動は、コムアイの表現の一部として位置づけられており、音楽や舞台と同様に、思想や価値観を伝える手段となっています。ファッションを通じて社会と向き合う姿勢は、彼女の活動全体に通じる一貫したテーマでもあります。
書籍執筆とテーマの背景

コムアイは現在、アマゾンでの出産体験を軸にした書籍の執筆に取り組んでいます。この書籍では、自然との共生や身体の力を信じること、そして命に対する考え方を丁寧に言葉にする試みが進められています。都市の医療システムから離れ、先住民の村で出産を選んだ経験は、彼女にとって身体と自然の関係性を深く見つめ直すきっかけとなりました。
出産に至るまでの過程では、妊娠8ヶ月の時点でペルーのアマゾンに渡り、村の人々と生活を共にしながら準備を進めました。陣痛が始まった際には、川を数時間かけてボートで移動し、ようやく産屋にたどり着くという壮絶な体験も含まれています。お産は数日間にわたり、体力と精神力の限界を超えるような時間だったとされています。
この体験を通じて、コムアイは「人間が本来持つ力」や「動物的な感覚」に対する理解を深めました。医療的な介入を最小限に抑え、自然の摂理に従って出産するという選択は、身体への信頼と命の尊さを再確認するものとなりました。胎盤を食すという文化的な体験も含め、生命の循環を身体で感じることができたと語られています。
書籍では、こうした体験を通じて得た気づきや思想を、読者に向けて率直に綴る予定です。単なる出産記録ではなく、自然との関係性、共同体の力、身体の可能性といったテーマが交錯する内容になると見られています。出版時期は未定ですが、構想はすでに固まりつつあり、表現者としての視点から新たな価値観を提示する作品となることが期待されています。
メディア出演と発信内容
コムアイは現在、テレビやラジオ、ウェブメディアなど多様なメディアに出演しながら、表現者としての考えを積極的に発信しています。出演の場では、音楽や芸能活動にとどまらず、社会的なテーマに対する自身の視点を率直に語る姿勢が印象的です。
特に近年では、政治や環境、ジェンダーといったテーマに関する発言が増えており、単なるパフォーマーではなく、思想と実践を結びつける存在として注目されています。SNSでは、選挙に関する意見や政党への評価を発信することもあり、若い世代に対して政治参加の意義を伝える役割も果たしています。
2025年夏には、参政党に対する複雑な感情をインスタグラムで語り、話題を呼びました。自身のライフスタイルが参政党の支持層と近いことを認めつつも、「日本人ファースト」やLGBTQへの条件付き容認といった政策には強い拒否感を示しています。このような発言は、思想と生活の接点を探る姿勢として、多くの人々の共感や議論を呼び起こしました。
また、歴史認識や教育に関する発言も行っており、「歴史修正主義は危険」といったメッセージを通じて、社会のあり方に対する問題提起を行っています。こうした発信は、単なる反体制的な立場ではなく、個人の選択が社会を変える力になるという前向きな提案として受け止められています。
メディア出演の中では、音楽や表現活動の裏側にある思想や価値観が語られることが多く、視聴者にとっては彼女の言葉を通じて社会の構造や制度を見直すきっかけとなっています。発信内容は一貫して、身体性、自然との共生、共同体との関係性といったテーマに根ざしており、彼女の活動全体に通じる思想が反映されています。
表現者としての現在の立ち位置

コムアイは現在、音楽家・俳優・モデルという肩書きにとらわれず、ジャンルを横断する表現者として活動しています。水曜日のカンパネラを離れて以降、彼女の創作はより身体的で思想的な方向へと深まりを見せています。音楽だけでなく、舞台、映像、執筆、パフォーマンスなど、表現の手段を自由に選びながら、自身の価値観や経験を作品に反映させています。
活動の軸となっているのは、身体・思想・社会との関係性です。アマゾンでの出産やブラジルでの生活を通じて、自然との共生や共同体の力を実感した経験は、彼女の表現に大きな影響を与えています。身体を通じて世界とつながる感覚を重視し、舞台やパフォーマンスでは言葉に頼らず、動きや空間の使い方で感情や思想を伝えるスタイルが確立されています。
また、社会的なテーマへの関心も強く、環境問題や政治、ジェンダーなどについて積極的に発信しています。SNSやメディア出演では、暮らしと思想の接点を探るような発言が多く、表現者としての立場から社会に問いかける姿勢が見られます。こうした発信は、単なる芸能活動ではなく、思想と実践が結びついた創作として位置づけられています。
現在のコムアイは、既存の枠組みに収まることなく、自分自身の感覚と経験をもとに表現を続けています。ジャンルや形式に縛られない自由な創作は、今後の活動にも影響を与えていくと考えられます。彼女の立ち位置は、アーティストとしてだけでなく、思想を持つ生活者としての姿も含んだ、複合的で柔軟なものとなっています。
コムアイ現在の活動と思想を整理する総まとめ
- 水曜日のカンパネラ初代ボーカルとして2012年に活動開始
- 2021年にグループを脱退し個人活動へ移行
- 表現の自由を求めて音楽以外の分野へ進出
- 環境やジェンダーなど社会的テーマに関心を持つ
- アマゾンでの自然出産を通じて身体性を再認識
- ブラジル・サルバドールに拠点を移し生活を継続
- 地元文化やカポエイラを取り入れた創作を展開
- 持続可能な暮らしを意識した生活スタイルを実践
- 映像作品や書籍執筆など多様な表現に挑戦中
- 映画『Black Box』で主演を務め演技力が注目される
- ドキュメンタリーで思想や体験を映像化し発信
- 舞台では身体表現を中心とした演出に参加
- モデル活動ではスタイリングや構成に深く関与
- メディア出演では社会的発言を積極的に行っている
- 表現者としてジャンルを超えた立ち位置を確立している
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