茨城県取手市出身、東洋大学卒業。学生時代に演劇サークルで舞台に立ち、1994年には劇団「猫ニャー」を旗揚げ。ナンセンスコメディの世界で看板女優として活躍した池谷のぶえは、劇団解散後も舞台を中心に活動を続け、2023年には読売演劇大賞・最優秀女優賞を受賞するまでに至りました。
舞台『我ら宇宙の塵』『無駄な抵抗』で見せた深い表現力、アニメ『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂』の紅子役での語り、そしてNHK朝ドラ『ばけばけ』での女将・花田ツル役など、池谷の演技は常に物語の空気を支える力を持っています。
本記事では、池谷のぶえの演劇経歴から映像作品での活躍、声優としての表現、そして彼女の人柄がにじむ趣味や特技まで、その歩みを丁寧にたどります。静かに、しかし確かに観客の心に残る――そんな池谷のぶえという俳優の魅力を、出演歴とともに紐解いていきましょう。
【この記事のポイント】
- 池谷のぶえの演劇活動と劇団時代の経歴
- 映像作品での代表的な出演と役柄の特徴
- アニメやナレーションなど声の仕事の実績
- 朝ドラ『ばけばけ』での最新出演情報
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池谷のぶえのプロフィールと演劇経歴
茨城県出身、東洋大学卒業
池谷のぶえは茨城県取手市の出身で、地元の小中学校を経て東洋大学附属牛久高等学校に進学しました。高校時代には演劇部に所属し、舞台に立つ経験を積んでいます。大学は東洋大学社会学部応用社会学科に進み、マスコミ学を専攻しました。学生時代は地道な作業を好み、社会調査の授業でアンケート集計に熱中するなど、数字や分析に興味を持っていたようです。
大学では演劇サークル「昏々睡々」に所属し、仲間とともに舞台活動を始めました。卒業後は都市計画を扱う会社に就職し、住民アンケートの集計や報告書作成などの業務に携わりましたが、演劇への関心は途切れることなく続いていました。演劇は彼女にとって安心できる居場所であり、社会人としての生活と並行して舞台に立ち続けることで、心のバランスを保っていたと語られています。
大学卒業の年である1994年には、演劇サークルの仲間とともに劇団「猫ニャー」を旗揚げしました。後に「演劇弁当猫ニャー」と改称し、ナンセンスコメディを中心に活動を展開。旗揚げメンバーには、劇作家のブルー&スカイや俳優の小村裕次郎が名を連ねており、池谷は看板女優としてすべての公演に出演しました。大学時代の出会いが、彼女の演劇人生を大きく動かすきっかけとなったことは間違いありません。
演劇サークルから劇団「猫ニャー」へ

池谷のぶえは大学時代、東洋大学の演劇サークル「昏々睡々」に所属していました。サークル活動では舞台に立つだけでなく、演出や裏方の仕事にも関わりながら、演劇の面白さに触れていきました。卒業後も演劇への情熱は冷めることなく、1994年に同サークルの仲間たちとともに劇団「猫ニャー」を旗揚げしました。
劇団「猫ニャー」は、旗揚げ当初からナンセンスな笑いと独特な世界観を持つ作品を発表し、小劇場界で注目を集めました。池谷は主宰として脚本・演出・出演のすべてに関わり、劇団の中心的存在として活動しました。劇団名は後に「演劇弁当猫ニャー」と改称され、より親しみやすくユーモラスな印象を打ち出しています。
旗揚げメンバーには、劇作家のブルー&スカイや俳優の小村裕次郎などが名を連ねており、個性豊かなメンバーが集まっていました。池谷はすべての公演に出演し、看板女優として劇団の顔となっていました。劇団は2004年に解散するまで10年間活動を続け、池谷の演劇人生において重要な土台となりました。
「演劇弁当猫ニャー」時代の活動
池谷のぶえが旗揚げした劇団「猫ニャー」は、後に「演劇弁当猫ニャー」と改称され、1994年から2004年までの約10年間にわたり活動を続けました。劇団名の変更は、より親しみやすくユーモラスな印象を与えるための工夫であり、作品の世界観にも通じる柔らかさを感じさせます。
この劇団は、東京の小劇場を中心に公演を重ね、ナンセンスな笑いや独特なセリフ回しを特徴とする作風で知られていました。池谷はすべての公演に出演し、看板女優として劇団の顔を担っていました。脚本・演出を手がけたブルー&スカイとのコンビネーションも注目され、観客の記憶に残る舞台を数多く生み出しています。
劇団の活動は、演劇ファンの間で高く評価されており、特に会話劇や日常の中に潜む違和感を描く作品に定評がありました。公演は口コミで広がり、リピーターも多く、熱心なファン層を築いていました。池谷の演技は、笑いの中に切なさや人間味を滲ませる表現力があり、舞台の空気を一変させる力を持っていました。
2004年に劇団は解散しましたが、その活動は池谷の演劇人生において重要な基盤となり、以降の舞台や映像作品での活躍につながっています。劇団時代に培った経験と表現力は、現在の彼女の演技にも深く根付いています。
ダックスープ所属後の舞台出演

池谷のぶえは2004年に劇団「演劇弁当猫ニャー」の活動を終えた後、芸能事務所ダックスープに所属し、舞台を中心に幅広い作品に出演しています。劇団時代とは異なり、外部のプロデュース公演や商業演劇にも積極的に参加するようになり、演技の幅をさらに広げています。
近年では、EPOCH MANの舞台『我ら宇宙の塵』に出演し、東京・大阪・北九州・金沢と全国を巡る公演に参加しています。この作品では、幻想的な世界観の中で人間の孤独やつながりを描く役柄を演じ、観客の心に深く残る演技を見せました。また、宝石のエメラルド座による『ライバルは自分自身ANNEX』では、ブルー&スカイの脚本・演出のもと、ユーモアと緊張感が交錯する舞台に登場しています。
さらに、Office8次元プロデュースの『セロ弾きのゴーシュ』では、宮沢賢治の原作をもとにした音楽劇に出演し、物語の語り手として舞台全体を支える役割を担いました。演技だけでなく、歌やリズムを取り入れた表現にも挑戦し、舞台表現の可能性を広げています。
池谷は、群像劇や会話劇において特に存在感を発揮しており、複数の人物が交錯する中でも、観客の視線を自然と引き寄せる演技力を持っています。感情の揺れや微細な表情の変化を丁寧に表現することで、物語の奥行きを深める役割を果たしています。
ダックスープ所属後の活動は、彼女の演技力がより多様な作品で試される機会となっており、舞台芸術の中で確かな地位を築いています。
読売演劇大賞での受賞歴
池谷のぶえは2023年の舞台『我ら宇宙の塵』と『無駄な抵抗』での演技が評価され、第31回読売演劇大賞において最優秀女優賞を受賞しました。これまでにも数々の舞台で存在感を示してきましたが、この受賞は長年にわたる演劇活動の集大成とも言える成果です。
『無駄な抵抗』では、人生の選択や運命に翻弄される女性・芽衣を演じ、繊細な感情の揺れを丁寧に表現しました。舞台上では、過去の記憶や人間関係が交錯する中で、静かな対話を通じて物語が展開されます。池谷の演技は、観客の心にじわりと染み入るような余韻を残し、作品全体の深みを支える重要な役割を果たしました。
授賞式では、演劇的素地のないところからスタートした自身の歩みを振り返りながら、舞台に立ち続けてきたことへの感謝を述べています。ナンセンスコメディの劇団から始まり、放浪のような日々を経て、今の舞台にたどり着いたという言葉には、演劇への誠実な姿勢と人柄がにじんでいました。
この受賞は、池谷のぶえが演劇界で確かな地位を築いた証であり、同じような道を歩む俳優たちにとっても希望となる出来事です。舞台に対する真摯な姿勢と、積み重ねてきた経験が認められた瞬間でした。
特技は料理、趣味も舞台に通じる

池谷のぶえは料理を得意としており、舞台の現場では差し入れとして手作りの料理を振る舞うこともあります。共演者やスタッフとの交流の場で、手料理が会話のきっかけになることも多く、舞台づくりの空気を和ませる存在として親しまれています。料理は彼女にとって、演技と同じく人とのつながりを生む手段のひとつです。
趣味は読書と映画鑑賞で、特に物語性の強い作品に惹かれる傾向があります。小説や映画の中で描かれる人物像や感情の動きに触れることで、役作りのヒントを得ることもあるようです。日常の中で得た感覚や印象を舞台上の表現に活かすことで、演技に深みが加わっています。
また、舞台の脚本や演出に関わる際にも、読書や映画から得た構成力や視点が役立っていると考えられます。物語を読み解く力と、それを観客に伝える力の両方を持ち合わせていることが、池谷の演技に説得力を与えている要因のひとつです。
声優としての活動も並行して展開
池谷のぶえは、舞台や映像作品での活動に加えて、アニメやナレーションなど声の分野でも活躍しています。独特の柔らかさと深みを持つ声質は、物語の語り手や個性的なキャラクターにぴったりと合い、作品の世界観を支える重要な要素となっています。
代表的なアニメ作品には『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂』があり、主人公・紅子の声を担当しています。紅子は不思議な駄菓子を通して人々の運命に関わる存在であり、池谷の語り口がキャラクターの神秘性と温かさを同時に表現しています。この作品では、ナレーション的な役割も担っており、物語の導入や展開を自然に導いています。
また、『HUGっと!プリキュア』では愛崎都役を演じ、明るく親しみやすいキャラクターを声で表現しています。子ども向け作品でも、池谷の声は安心感と親しみを与える力を持っており、幅広い世代に受け入れられています。
さらに、映画『100日間生きたワニ』ではワニの母親役として出演し、感情のこもったセリフで物語に深みを加えています。アニメーション作品においても、池谷の演技は映像と音の調和を生み出し、視聴者の記憶に残る存在となっています。
声の仕事では、ナレーションやアテレコにも取り組んでおり、テレビ番組やCMなどでもその声を耳にする機会があります。舞台で培った表現力が、声だけの演技にも活かされており、言葉の抑揚や間の取り方に独自の工夫が感じられます。
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池谷のぶえの出演作品と話題の役柄
映画『ソロモンの偽証』での印象的な役

池谷のぶえは、2015年に公開された映画『ソロモンの偽証』で、主人公・藤野涼子の母親である藤野邦子役を演じています。この作品は、宮部みゆきの長編小説を原作とした2部構成の学園ミステリーで、池谷が演じる母親は、物語の中心にいる少女を静かに支える存在として描かれています。
家庭内では、娘が学校内裁判という異例の行動に踏み出すことに戸惑いながらも、母親としての立場から見守る姿勢を貫いています。池谷の演技は、感情を大きく揺らすことなく、抑えた表現で母親の複雑な心情を伝えており、観客に深い余韻を残します。日常の中にある不安や葛藤を、さりげない仕草や視線で表現することで、物語のリアリティを高めています。
この役柄では、家庭の中での静かな緊張感や、娘への信頼と不安が交錯する様子が丁寧に描かれており、池谷の演技が物語の土台をしっかりと支えています。主人公の成長を陰で支える母親としての存在感が、作品全体の人間ドラマに厚みを加えています。
NHK朝ドラ『半分、青い。』への出演
池谷のぶえは、2018年に放送されたNHK連続テレビ小説『半分、青い。』に出演し、ヒロイン・楡野鈴愛の幼なじみである木田原菜生の母親、木田原幸子役を演じました。物語の舞台となる岐阜県の商店街「ふくろう商店街」で洋品店を営む家庭の一員として登場し、地域に根ざした温かな人間関係の中で、娘や周囲の人々とのやりとりを通じて物語に彩りを加えています。
幸子は、鈴愛の母・晴や律の母・和子らと親しく、商店街の女性たちが集まって世間話を交わす場面では、明るく親しみやすい雰囲気を醸し出しています。池谷の演技は、日常の何気ない会話の中に人間味を感じさせるもので、視聴者にとっても身近な存在として映っていました。
この作品では、ヒロインの成長を見守る地域の人々の姿が丁寧に描かれており、池谷が演じる幸子もその一端を担っています。娘・菜生との関係性や、商店街の仲間たちとのやりとりを通じて、家族や地域のつながりが浮き彫りになり、物語の温度感を支える役割を果たしています。
池谷の演技は、派手さはなくとも、場面に自然に溶け込みながら人物の背景や感情を伝える力があり、朝ドラという長期シリーズの中でも安定した存在感を放っていました。
『民王』『中学聖日記』などのドラマ出演

池谷のぶえは、2015年放送のテレビドラマ『民王』にて、自由民権党の官僚・闇雲郁代役を演じました。この作品は総理大臣とその息子の人格が入れ替わるというユニークな設定の政治コメディで、池谷の演じる郁代は、冷静で堅実な官僚として登場します。物語の中では、混乱する政権を支える立場として、的確な助言や対応を見せる場面が多く、コミカルな展開の中でも緊張感を保つ役割を担っていました。
一方、2018年放送の『中学聖日記』では、主人公・末永聖が勤務する子星中学校の教師の同僚として登場しています。この作品は、教師と生徒の関係を軸にした純愛ドラマで、池谷の演じる教師は、職場内での人間関係や教育現場のリアルな空気を伝える存在として描かれています。生徒や保護者との関わり、同僚との会話など、日常の中にある微妙な感情の動きを丁寧に表現しており、物語の背景を支える重要な役割を果たしています。
いずれの作品でも、池谷の演技は派手さを抑えながらも、場面の空気を引き締める力を持っており、視聴者の記憶に残る存在となっています。主役を引き立てながらも、人物の内面を自然に滲ませる演技は、物語の厚みを生む要素として高く評価されています。
舞台『我ら宇宙の塵』『無駄な抵抗』など
池谷のぶえは、2023年に上演された舞台『我ら宇宙の塵』と『無駄な抵抗』に出演し、いずれも印象的な演技を披露しています。両作品はテーマ性の強い舞台であり、池谷の表現力が物語の深みを支える重要な役割を果たしています。
『我ら宇宙の塵』は、宇宙と死をテーマにした幻想的な作品で、パペットやLEDディスプレイを用いた演出が特徴です。池谷は母親・宇佐美陽子役として登場し、息子を探す過程で他者と出会いながら「死」と向き合う姿を描いています。舞台上では、静かな語りと感情の揺れを丁寧に表現し、観客の心に残る存在感を示しました。映像と演技が融合した空間の中で、池谷の演技は物語の軸を支える力となっています。
一方、『無駄な抵抗』では、ギリシャ悲劇をベースにした「運命」と「自由意志」をめぐる物語に挑戦しています。池谷は芽衣という女性を演じ、過去の言葉に縛られながらも自分の人生を見つめ直す役柄に取り組みました。舞台は現代の駅前広場を舞台に、対話を通じて人物の内面が少しずつ明らかになっていきます。池谷の演技は、言葉にできない感情や記憶を繊細に表現し、観客に深い余韻を残しました。
両作品とも、池谷の演技は物語の核心に迫るものであり、観客の感情を揺さぶる力を持っています。日常と非日常が交錯する舞台空間の中で、彼女の存在は静かに、しかし確かに物語を動かしていました。
アニメ『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂』での声優活動

池谷のぶえは、テレビアニメ『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂』で主人公・紅子の声を担当しています。紅子は、幸運な人だけがたどり着ける不思議な駄菓子屋「銭天堂」の店主で、訪れる客の悩みに応じてぴったりの駄菓子をすすめる人物です。池谷の声は、紅子の神秘的で落ち着いた雰囲気を的確に表現しており、物語の軸となる存在感を放っています。
この作品は、児童書を原作としたファンタジー要素の強いシリーズで、2020年からNHK Eテレで放送が始まりました。紅子のキャラクターは、年齢不詳で古銭柄の着物をまとい、真っ白な髪と赤い口紅が印象的な姿をしています。池谷の演技は、紅子の外見だけでなく、内面の奥深さや人間味を声で伝える力を持っており、視聴者の記憶に残るキャラクターとなっています。
物語の中では、紅子が語り部のような役割も果たしており、各話の導入や締めくくりで作品全体の世界観を整える役割を担っています。池谷の語りは、静かでありながらも引き込まれる力があり、子どもから大人まで幅広い層に受け入れられています。
また、劇場版『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂』でも紅子役として出演しており、テレビシリーズと同様に物語の中心人物として活躍しています。アニメーションの中で、池谷の声はキャラクターの感情や空気感を繊細に表現し、映像と音の調和を生み出しています。
『妖怪シェアハウス』での座敷童子役
池谷のぶえは、テレビドラマ『妖怪シェアハウス』シリーズにおいて、座敷童子・和良部詩子役を演じています。2020年にスタートした第1作から続編『帰ってきたん怪』、劇場版『白馬の王子様じゃないん怪』まで、シリーズを通してレギュラー出演を果たしています。
和良部詩子は、妖怪たちが共同生活を送るシェアハウスの寮母的存在で、江戸時代の言葉を使いながら、江戸レシピの料理を振る舞うなど、独特の生活スタイルを持つキャラクターです。見た目は大人ながら、自分のことを「わらし」と呼ぶ座敷童子として、時に童歌を口ずさみながら場面を和ませたり、涙もろくて泣き出すと止まらなかったりと、ユーモラスで人間味のある描写が印象的です。
池谷の演技は、コミカルな場面ではテンポよく笑いを誘いながらも、登場人物の悩みに寄り添う場面では温かさと哀愁を感じさせる表現で、物語に深みを与えています。特に、主人公・澪との関係性では、母性的な優しさと妖怪らしい不思議さが絶妙に混ざり合い、視聴者の心に残る存在となっています。
また、劇中では昔話のナレーションも担当しており、物語の語り部としての役割も果たしています。声のトーンや間の取り方に工夫が凝らされており、映像と音の演出が融合する場面では、池谷の声が作品の世界観を支える重要な要素となっています。
シリーズ全体を通して、池谷のぶえが演じる座敷童子は、妖怪たちの中でも特に親しみやすく、視聴者からの人気も高いキャラクターです。衣装や言葉遣い、表情の細やかな変化など、細部にまでこだわった演技が、作品の魅力を引き立てています。
NHK朝ドラ『ばけばけ』での花田ツル役

池谷のぶえは、2025年放送のNHK連続テレビ小説『ばけばけ』にて、花田旅館の女将・花田ツル役を演じています。物語の舞台は明治時代の島根県松江で、ヒロイン・松野トキが外国人英語教師ヘブンと出会う場所として、花田旅館が重要な舞台となっています。ツルはその旅館を夫・平太とともに切り盛りする人物で、物語の中核を支える存在です。
ツルは、明るくたくましい性格で、トキの悩みに寄り添いながらも、時に厳しく、時にユーモラスに接する姿が描かれています。池谷の演技は、女将としての包容力と、時代の変化に立ち向かう女性としての芯の強さを自然に表現しており、視聴者に安心感と親しみを与えています。
この役柄は、実在した富田旅館の女将・富田ツネをモデルにしており、外国人教師として松江に赴任したラフカディオ・ハーン(小泉八雲)が寄宿した宿の女将として知られる人物です。劇中では、トキとヘブンの出会いや交流を見守る立場として、物語の進行に深く関わっていきます。
花田旅館のシーンは、登場人物たちの心の拠り所として描かれており、ツルの存在がその空間に温もりと活気をもたらしています。池谷の演技は、場面に柔らかさと奥行きを加え、物語全体の雰囲気を豊かにしています。シリーズを通して、花田ツルというキャラクターは、視聴者にとっても印象深い存在となっています。
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池谷のぶえの歩みと出演歴を通して見える人物像
- 池谷のぶえは茨城県出身で東洋大学卒業
- 大学演劇サークルから劇団活動を開始
- 演劇弁当猫ニャーでは脚本演出も担当
- ダックスープ所属後は外部舞台に多数出演
- 読売演劇大賞で最優秀女優賞を受賞
- 舞台『我ら宇宙の塵』で哲学的テーマに挑戦
- 『無駄な抵抗』では記憶と運命を描く役柄
- 特技の料理は舞台現場でも活かされている
- 読書や映画鑑賞が演技の糧になっている
- アニメ『銭天堂』では紅子役で語り部を担当
- 映画『ソロモンの偽証』で母親役を演じた
- 朝ドラ『半分、青い。』では商店街の母親役
- 『民王』『中学聖日記』で脇役として存在感
- 『妖怪シェアハウス』では座敷童子役で人気
- 朝ドラ『ばけばけ』では旅館の女将役として登場
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