2021年9月、音楽ユニット「水曜日のカンパネラ」から初代ボーカル・コムアイが脱退を発表しました。代表曲「桃太郎」や「一休さん」で知られる彼女の突然の決断に、多くのファンが驚きと関心を寄せました。
しかしその背景には、長年にわたる内面的な変化と、表現者としての新たな挑戦がありました。音楽の枠を超え、自然や身体、社会との関係性を探る彼女の現在の活動は、従来のアーティスト像とは異なる広がりを見せています。
彼女がなぜグループを離れたのか、そして今どのような創作を続けているのか。その理由と現在の姿をたどることで、表現とは何かを考えるきっかけになるかもしれません。もっと深く知りたくなる彼女の選択と歩みを、ここから追ってみてください。
【この記事のポイント】
- コムアイが水曜日のカンパネラを脱退した理由とその背景
- 脱退後に選んだ自然との共生を軸としたライフスタイル
- ペルー・アマゾンでの出産体験と創作への影響
- 音楽以外の表現領域での活動と社会的テーマへの関心
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コムアイはなぜ抜けた?脱退理由の背景
脱退は2021年9月6日に正式発表

水曜日のカンパネラの初代ボーカルとして活動していたコムアイは、2021年9月6日にグループからの脱退を正式に発表しました。この発表は、グループの公式YouTubeチャンネルにて公開された動画を通じて行われ、ファンに向けて直接語りかける形が取られました。
動画の中でコムアイは、これまでの活動に対する感謝とともに、自身の気持ちの変化について丁寧に言葉を選びながら説明しています。特別な事件やトラブルがあったわけではなく、数年前から少しずつ「このプロジェクトで自分が活動を続けていく姿が想像できなくなっていた」と語っています。
グループとしての活動は2012年の結成以来、独自の世界観とパフォーマンスで注目を集めてきましたが、2020年以降はコムアイの出演機会が減少していました。その流れの中で、ファンの間でも「最近見かけない」と感じる声が増えていたこともあり、突然の発表ではありながら、納得する雰囲気も広がっていました。
脱退の発表と同時に、新たなボーカルとして詩羽(うたは)が加入することも明かされ、グループとしては前向きな再スタートを切る形となりました。コムアイは、これまで自由に活動させてもらっていたことへの感謝を述べつつ、今後は自身の興味や表現をより自由に追求していく意志を示しています。
活動減少からの自然な流れだった
水曜日のカンパネラは2012年に結成され、独特な音楽性とパフォーマンスで注目を集めてきました。コムアイは初代ボーカルとして、ユニットの顔とも言える存在でした。代表曲「桃太郎」や「一休さん」など、ユニークな歌詞と演出で話題を呼び、2016年にはメジャーデビュー、2017年には日本武道館での公演も成功させています。
しかし、2020年頃からコムアイの出演機会は徐々に減少していきました。ライブ活動やメディアへの露出が控えめになり、グループとしての動きも少なくなっていきました。ファンの間では「最近見かけない」と感じる声が増え、活動の停滞が目に見える形で現れていました。
このような状況は、脱退の前兆とも受け取られていました。実際に、コムアイ自身も数年前から「このプロジェクトで自分が活動を続けていく姿が想像できなくなっていた」と語っており、興味の対象が広がっていく中で、グループとしての活動との距離が自然に生まれていたことがうかがえます。
水曜日のカンパネラは、音楽ユニットでありながら、映像や舞台演出など多様な表現を取り入れてきたグループです。その中で、コムアイは個人としての表現欲求が強まり、より自由な活動を求めるようになっていきました。活動の減少は、そうした内面的な変化が外に現れた結果とも言えます。
脱退の発表があった2021年9月には、すでに次期ボーカルの詩羽が紹介されており、グループとしては新たな体制への移行が準備されていました。コムアイの活動減少は、グループの再編を促す自然な流れだったと捉えることができます。
「特別なきっかけはない」と本人談

コムアイが水曜日のカンパネラを脱退した際、注目を集めたのはその理由でした。多くの人が何か大きな出来事やトラブルがあったのではないかと推測しましたが、本人は「特別なきっかけがあったわけではない」と明言しています。
脱退の背景には、時間の経過とともに自身の中で変化していった思いや価値観がありました。数年前から、グループの活動を続けていく自分の姿が想像できなくなっていたと語っています。音楽活動を通じて得た経験や出会いを経て、興味の対象が広がり、より自由な表現や生き方を求めるようになったことが、決断の根底にあります。
また、これまでもグループ内では自由に活動させてもらっていたとしながらも、今後さらに自分の関心に周囲を巻き込むことにためらいを感じるようになったとも述べています。そのため、水曜日のカンパネラというプロジェクトの重心を、他のメンバーであるケンモチヒデフミやDir.Fに戻すべきだと考えるようになったとしています。
このように、脱退は突発的なものではなく、長い時間をかけて熟考された結果でした。グループへの感謝と敬意を持ちながら、自分自身の新たな道を歩むための前向きな選択だったことがうかがえます。
表現の幅を広げたいという思い
コムアイが水曜日のカンパネラを離れる決断をした背景には、音楽という枠にとどまらない表現への関心の広がりがありました。グループとして活動していた頃から、音楽だけでなく映像や舞台、身体表現など多様なメディアに触れ、自分の内側にあるテーマをもっと自由に形にしたいという思いが強まっていったとされています。
特に、社会的なテーマや環境問題、身体性といった個人的かつ普遍的な問いに対する関心が深まり、それらを表現するには、グループという形態では限界があると感じるようになったようです。水曜日のカンパネラは、独自の世界観と演出で注目を集めてきましたが、その中でもコムアイは、より個人的で実験的な表現を追求したいという気持ちを抱えていました。
また、音楽業界の枠組みやスケジュールに縛られず、自分のペースで創作に向き合いたいという思いもあったと考えられます。グループ活動では、どうしても他のメンバーやスタッフとの調整が必要になりますが、個人であれば、より直感的に、そして即興的に動くことが可能です。
脱退後は、ブラジルやペルーといった自然豊かな土地での生活を選び、現地の文化や環境と向き合いながら、出産や身体、自然との共生といったテーマを軸にした表現活動を展開しています。こうした動きは、音楽ユニットのボーカルという立場では実現しにくいものであり、まさに「表現の幅を広げたい」という思いが形になった結果といえます。
メンバーへの配慮も理由の一つ

コムアイが水曜日のカンパネラを離れる決断をした背景には、グループ内での自身の立ち位置に対する葛藤もありました。これまでの活動では、コムアイの個性や表現がグループの方向性に強く影響を与えてきましたが、それが他のメンバーの自由な創作や展開を制限してしまうのではないかという思いが芽生えていたようです。
水曜日のカンパネラは、ケンモチヒデフミが楽曲制作を担い、Dir.Fが企画や演出を担当するという分業体制で成り立っていました。その中で、コムアイの興味や関心が広がるにつれて、グループ全体がその方向に引っ張られる場面も増えていきました。本人は、これ以上自分の興味に他のメンバーが歩み寄る形になることにためらいを感じるようになり、グループの重心を元の2人に戻すべきだと考えるようになったとされています。
このような考えは、単なる自己都合ではなく、長年ともに活動してきた仲間への配慮から生まれたものです。自分が身を引くことで、ケンモチヒデフミやDir.Fがより自由にグループを運営し、新たな展開を生み出せる環境を整えたいという思いが込められています。
実際に、脱退発表と同時に新ボーカルの詩羽が紹介され、グループは新体制での活動をスタートさせました。この流れは、コムアイの配慮があったからこそ、スムーズに実現したとも言えます。グループの未来を見据えた前向きな決断であり、仲間への敬意が感じられる一面です。
約9年間の活動に一区切り
水曜日のカンパネラは2012年に結成され、コムアイは初代ボーカルとして約9年間にわたりグループの中心的存在として活動してきました。独特な世界観とパフォーマンスで注目を集め、2016年にはメジャーデビュー、2017年には日本武道館での単独公演も成功させるなど、音楽シーンに強い印象を残しました。
コムアイの存在は、グループの個性そのものとも言えるものでした。楽曲のテーマや演出、メディアでの発言など、彼女の感性が色濃く反映されていた時期が続きました。その一方で、年月を重ねる中で、コムアイ自身の関心や表現の方向性が徐々に変化していきました。
2021年9月6日に脱退が正式に発表されたことで、コムアイの水曜日のカンパネラとしての活動は一区切りを迎えました。この決断は、突然のものではなく、数年かけて熟考された結果であり、グループとしての活動に対する責任感と、自身の表現者としての未来を見据えた選択でもあります。
脱退後は、次期ボーカルとして詩羽が加入し、グループは新体制での活動を開始しました。コムアイの脱退は、グループにとっても新たなスタートの契機となり、彼女自身にとっては次のステージへと進むための節目となりました。約9年間の活動は、音楽だけでなく、表現者としての土台を築く大切な時間だったと言えます。
自由な創作を求めた決断

コムアイが水曜日のカンパネラを離れる決断をした背景には、音楽という枠にとどまらない創作への欲求がありました。グループとしての活動は、音楽を中心に展開されていましたが、コムアイ自身の関心は次第に社会的なテーマや身体表現、環境との関係など、より広い領域へと広がっていきました。
その変化は、単なる趣味の拡張ではなく、表現者としての根本的な方向転換とも言えるものでした。音楽ユニットの一員として活動する中で、自由に表現できる場面も多くありましたが、より深く個人的なテーマに向き合うには、グループという枠組みでは限界があると感じるようになったようです。
特に、身体性や自然との関係、出産や命の循環といったテーマに強く惹かれるようになり、それらを表現するためには、音楽だけではなく、映像や文章、パフォーマンスなど多様な手法が必要でした。グループの活動では、こうしたテーマを全面に出すことが難しく、自分自身の表現を追求するためには、独立した立場が必要だったのです。
脱退後は、ブラジルやペルーといった土地での生活を通じて、自然との共生や身体の感覚を重視した創作活動を展開しています。出産という個人的な体験も、彼女の表現の中核となっており、現在はその経験をもとにした書籍の執筆にも取り組んでいます。
このように、コムアイの脱退は、より自由で本質的な創作を求める気持ちから生まれたものであり、音楽ユニットの枠を超えて、自分自身の表現を深めていくための前向きな決断だったと言えます。
グループの重心を他メンバーへ
コムアイが水曜日のカンパネラを脱退した後、グループは新たなボーカルとして詩羽(うたは)を迎え、新体制での活動をスタートさせました。詩羽は2001年生まれのアーティストで、モデル活動や詩の投稿などを通じて自己表現を続けてきた人物です。加入のきっかけは知人の紹介による面談で、2021年9月6日に正式に加入が発表されました。
この新体制の始動は、単なるメンバー交代ではなく、グループの重心が大きく移動する転機でもありました。これまで水曜日のカンパネラは、コムアイの個性が前面に出たパフォーマンスや発言によって強い印象を残してきましたが、今後はケンモチヒデフミとDir.Fの企画・制作力がより前面に出る形で、グループの方向性が再構築されていくことになります。
詩羽の加入によって、グループは新たな音楽性や表現スタイルを模索し始めています。彼女自身が「やりたいこと」「伝えたいこと」を水曜日のカンパネラとして実現していく意志を示しており、これまでとは異なる感性が加わることで、グループの可能性が広がることが期待されています。
コムアイ自身も、脱退に際して「水曜日のカンパネラの重心をもっと2人の方へ戻すべきだと考えるようになった」と語っており、グループの未来を見据えた配慮があったことがうかがえます。その言葉通り、現在の水曜日のカンパネラは、ケンモチヒデフミとDir.Fの制作力を軸に、詩羽の新しい表現を融合させながら、次のステージへと進んでいます。
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コムアイの脱退理由と現在の活動
ブラジル・バイーア州に拠点を移動

水曜日のカンパネラを脱退した後、コムアイはブラジル・バイーア州の港町サルバドールに拠点を移しました。サルバドールはアフロブラジル文化が色濃く残る地域で、音楽や舞踊、宗教儀礼などが日常に根付いています。コムアイはこの地に滞在しながら、現地の伝統芸能や民俗音楽に触れ、日々の暮らしの中でその文化と深く関わっています。
都市の喧騒から離れた環境での生活は、彼女の表現活動に新たな視点をもたらしています。自然とともにある暮らしの中で、身体感覚や時間の流れ、人との関係性に対する感受性が研ぎ澄まされ、それが創作の源となっています。音楽だけでなく、身体表現や映像、言葉を通じた表現へと活動の幅を広げる中で、ブラジルでの生活は重要なインスピレーションの場となっています。
また、サルバドールでの暮らしは、彼女にとって異文化との対話の連続でもあります。アフロブラジル文化やカポエイラ、宗教儀礼など、これまで日本では触れる機会の少なかった文化に身を置くことで、自身のアイデンティティや表現のあり方を見つめ直すきっかけにもなっています。
このような生活スタイルの変化は、彼女の創作活動だけでなく、人生観そのものにも影響を与えており、今後の表現にどのように反映されていくのか注目されています。
ペルー・アマゾンで第一子を出産
2023年7月22日、コムアイはペルーのアマゾン熱帯雨林にあるワンピス族の村で第一子となる男児を出産しました。妊娠中から「自然の中で出産したい」という意志を持っており、医療機関ではなく、先住民族の伝統的な助産術を持つ産婆の家に住み込み、出産の日を迎えました。
この出産は、彼女の思想やライフスタイルを象徴する出来事となっています。都市的な医療体制から離れ、自然の摂理に従って命を迎えるという選択は、コムアイがこれまで追求してきた「身体性」や「自然との共生」といったテーマと深く結びついています。出産に際しては、パートナーである太田光海氏も助産のサポートを行い、2人で準備を重ねてきた知識を活かしながら、現地の文化と共に命の誕生を迎えました。
出産後には胎盤を食すという行為も行われ、生命の循環を身体で感じる体験として受け止めています。このような出産のあり方は、現代の医療的な出産とは異なる価値観を提示しており、コムアイ自身が「人間としての本能」や「動物的な力」を意識した選択だったと語っています。
ペルー・アマゾンでの出産は、彼女の表現活動にも影響を与えており、今後はこの体験をもとにした書籍や映像作品の制作も予定されています。自然の中での出産という選択は、彼女が音楽活動を離れた後も一貫して追求している「生き方そのものを表現する」という姿勢の延長線上にあります。
出産体験をもとに書籍を執筆中

コムアイは、ペルー・アマゾンでの出産という特異な体験を経て、現在はその経験をもとにした書籍の執筆に取り組んでいます。都市の医療機関ではなく、先住民族の村で自然の摂理に従って命を迎えたこの出来事は、彼女の思想や身体感覚に深く影響を与えました。
この書籍では、出産という身体的な営みを通じて感じた「命の循環」や「人間の本能」、そして「自然との共生」といったテーマが中心に据えられています。コムアイは、出産を単なる医療行為ではなく、動物としての人間が本来持っている力を取り戻す行為として捉えており、その視点から身体性を見つめ直す内容になるとされています。
また、出産に至るまでの過程や、現地での生活、先住民との関わり、胎盤を食すという行為など、一般的な出産とは異なる文化的・身体的体験も記録されています。これらは、彼女が音楽活動を通じて培ってきた表現とは異なる手法であり、文章や映像、身体表現を通じて新たな創作の地平を切り開こうとする姿勢が表れています。
この書籍は、単なる体験記ではなく、現代社会における出産や身体のあり方に対する問いかけでもあります。コムアイ自身が感じた違和感や発見を、読者と共有することで、命を迎えることの意味や、身体を通じた表現の可能性を探る作品になると見られています。
環境や社会問題への関心が強まる
コムアイは水曜日のカンパネラを離れた後、環境問題やジェンダー、出産といった社会的テーマへの関心を深め、活動の軸を大きく変化させています。音楽やパフォーマンスを通じた表現に加え、社会に対する問いかけを積極的に行う姿勢が目立つようになりました。
特に環境問題に対しては、気候変動の深刻さを肌で感じたことが転機となり、行動のすべてに意識が向くようになったと語っています。豪雨や猛暑などの異常気象を経験する中で、気候危機が人類の生存基盤を揺るがす問題であると認識を改め、国際環境NGOが主催する学習プログラムにも参加するなど、知識の習得にも積極的です。
また、出産を通じて身体性や命の循環に対する理解が深まり、ジェンダーや出産のあり方についても発信を続けています。医療機関に頼らず自然の中で命を迎えた経験は、現代社会の出産観に対する問いかけとなっており、書籍や映像作品を通じてその価値を伝えようとしています。
政治的な発言もためらわず、気候危機対策に積極的な政党への支持を表明するなど、アーティストとしての立場から社会的なメッセージを発信する姿勢が一貫しています。音楽と社会運動の両立に葛藤を感じながらも、表現者としての責任を果たそうとする姿勢が、多くの人々の共感を呼んでいます。
このように、コムアイの現在の活動は、単なる芸術表現にとどまらず、社会と向き合う実践そのものとなっています。環境やジェンダーといったテーマに対する関心は、彼女の創作の根幹を支える重要な要素となっています。
パフォーマンス活動も継続中

コムアイは水曜日のカンパネラを脱退した後も、音楽から完全に離れたわけではなく、身体を使った表現活動を継続しています。音楽、映像、舞台、アートイベントなど、ジャンルを横断する形での出演が続いており、彼女の創作はより自由で実験的な方向へと進んでいます。
2025年春には、京都で開催される音楽祭「KYOTOPHONIE」に出演予定です。この公演では、ブラジルのロックスターであるフィリペ・カットとの共演が予定されており、コムアイは小林七生(FATHER)とともに、自然との関係性や死生観をテーマにしたパフォーマンスを披露します。ブラジルやエチオピア、ハイチ、ハワイなど、彼女が旅してきた土地の音や感覚を取り込みながら、観客の身体感覚に訴えかけるような演出が予定されています。
また、2025年6月には、アーティスト食品まつり a.k.a FOODMANとのコラボレーションによる新作EP「FANI MANI」がリリースされました。この作品は「おかね」をテーマにした体験型アートイベントをきっかけに制作されたもので、現代社会に対する風刺的な視点を持つサイケデリックなダンストラックが収録されています。音楽と社会的テーマを融合させたこの作品は、彼女の現在の表現スタイルを象徴するものとなっています。
さらに、テレビやドキュメンタリー番組への出演も続いており、2024年にはNHKやフジテレビ系列の番組で、社会的テーマや文化的背景を扱った作品に登場しています。これらの活動は、彼女がアーティストとしての立場から、社会に対する問いかけを続けていることを示しています。
このように、コムアイの現在の活動は、音楽だけでなく、身体表現や社会的メッセージを含むパフォーマンスへと広がっており、ジャンルにとらわれない創作を続けています。
パートナーとの共同プロジェクト
コムアイは、アーティストのオオルタイチ(Taichi)とともに、音楽と映像を融合させたプロジェクト「YAKUSHIMA TREASURE」に取り組んでいます。このプロジェクトは、屋久島の自然環境や文化をテーマにした創作活動で、フィールドレコーディングによって採集された自然音や民謡、環境音をもとに楽曲を制作し、映像作品として発表されています。
共同制作の中で、コムアイは身体表現や声を通じて自然との関係性を探り、オオルタイチは音楽的な構築を担っています。2人の役割は明確に分かれているわけではなく、互いの感性を持ち寄りながら、即興的かつ有機的に作品を形にしていくスタイルが特徴です。屋久島の森で行われたライブパフォーマンスでは、360度のサラウンド音響や3D点群データによる空間スキャンなど、最新の映像技術を駆使したインタラクティブな体験が提供されました。
このプロジェクトでは、沖縄・久高島に伝わる輪廻転生の死生観をテーマにした楽曲「殯舟」や「東」などが制作され、生と死、自然と人間の境界を問い直すような表現が展開されています。コムアイはこのパフォーマンスのために「UFO琴」と呼ばれる独自の楽器も用意し、視覚と聴覚の両面から観客に訴えかける演出を行っています。
「YAKUSHIMA TREASURE」は、単なる音楽ユニットではなく、土地の記憶や文化を掘り起こしながら、現代のテクノロジーと融合させることで、新たな表現の可能性を模索するプロジェクトです。コムアイとオオルタイチの共同制作は、個人の表現を超えた対話的な創作の場となっており、今後も国内外での展開が期待されています。
音楽以外の表現領域に挑戦

コムアイは水曜日のカンパネラを離れた後、音楽という枠を超えて、映像、文章、身体表現など多様なメディアを通じた創作活動に取り組んでいます。ジャンルに縛られない自由な表現を求めて、国内外での活動を広げています。
映像作品では、自然との関係性や身体性をテーマにしたドキュメンタリーやアートフィルムに出演し、演者としてだけでなく企画段階から関わることもあります。屋久島を舞台にしたプロジェクトでは、現地の音や風景を取り込みながら、土地の記憶や文化を表現する試みが行われました。これらの作品は、音楽とは異なる手法で観客の感覚に訴えかける構成となっています。
文章による表現にも力を入れており、出産や自然との暮らしを通じて得た体験をもとにした書籍の執筆を進めています。身体を通じて感じた命の循環や、都市生活との対比から生まれる問いを言葉にすることで、読者との新たな対話を生み出そうとしています。
身体表現の分野では、舞台やパフォーマンスイベントへの出演を通じて、音楽とは異なる形で自らの思想や感覚を伝えています。自然の中での即興的な動きや、伝統的な儀礼に触発された演出など、ジャンルを超えた表現が特徴です。
これらの活動は、従来の音楽ユニットの枠組みでは実現しにくいものであり、コムアイが表現者としての本質を追求する中で生まれたものです。ジャンルや形式にとらわれず、自分の感覚に正直に向き合う姿勢が、現在の彼女の創作の核となっています。
自然との共生をテーマに活動
コムアイは、水曜日のカンパネラを離れた後、都市的なライフスタイルから距離を置き、自然との共生を軸にした活動を展開しています。屋久島や奥多摩、ペルー・アマゾン、ブラジル・バイーア州など、自然豊かな土地に身を置きながら、身体感覚を研ぎ澄ませるような暮らしを続けています。
屋久島では、フィールドレコーディングを通じて自然音を採集し、それをもとにした音楽制作やパフォーマンスを行っています。滝や森の音、風の流れなど、土地の記憶を音として記録し、それを身体表現と融合させることで、自然と人間の関係性を探る作品を生み出しています。
また、奥多摩では水源地やわさび田などを訪れ、身体を通じて水とのつながりを感じる撮影を行うなど、自然環境と身体性をテーマにした活動が目立ちます。こうした体験は、彼女の表現において「暮らしそのものが作品になる」という視点を強めています。
ペルー・アマゾンでの出産も、自然との共生を象徴する出来事のひとつです。医療機関に頼らず、先住民族の知恵とともに命を迎えるという選択は、身体と自然の関係を深く見つめ直すきっかけとなりました。この体験は、今後の創作にも大きく影響を与えると見られています。
コムアイの現在の活動は、自然の中で得た感覚を音楽や映像、文章、身体表現に落とし込むことで、都市生活では得られない視点を提示しています。自然との共生をテーマにした表現は、彼女が目指す「生き方そのものを表現する」姿勢の中核を成しています。
コムアイがなぜ抜けたのか脱退理由の要点整理
- 2021年9月6日に水曜日のカンパネラを正式に脱退
- 活動減少は数年前から徐々に進行していた
- 特別な事件や対立があったわけではない
- 表現の幅を広げたいという思いが強まった
- グループの重心を他メンバーに戻す意志があった
- 約9年間の活動に一区切りをつけた決断
- 自由な創作を求めて個人活動へ移行した
- ブラジル・バイーア州で自然と共に暮らしている
- ペルー・アマゾンで第一子を自然出産した
- 出産体験をもとに書籍の執筆を進めている
- 環境問題やジェンダーへの関心が高まっている
- パフォーマンスアートや映像作品にも出演中
- パートナーと共同で音楽映像プロジェクトを展開
- 音楽以外の表現領域に積極的に挑戦している
- 自然との共生をテーマに創作を続けている
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